クラウンプライズ、ゲレンデ状況と得点の関係、そして得点のでるコブの滑り方

コブの滑り方

新潟県スキー連盟主催のクラウンプライズテストは、越後湯沢近辺では石打丸山スキー場と岩原スキー場で行われます。
両スキー場共に、毎年同じゲレンデを閉鎖して、テクニカルとクラウンの受験生が事前講習からコブを造り始めます。
総勢100名を超える、レベルの高いスキーヤーが造るので、形が綺麗なコブができあがります。

 

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検定バーンと受験者の滑り

石打丸山スキー場

検定バーン

石打丸山会場の不整地小回りの検定バーンは、観光第1エクスプレス沿いのダイナミックコースAで行われます。
斜度変化はありませんが、距離が長く24度の斜面が続く難コースです。
例年、2月上旬に行われるので雪質は柔らかめのことが多く、落差のある深いコブができます。

受験者の滑り

石打丸山会場のコブは斜度があるので、雪面としっかりとコンタクトをとり、スピードをコントロールした滑りの人に得点が出ていました。
攻めた滑りをする人はほとんどおらず、板が横を向いている時間が多少あっても合格点がでます。
誰から見ても、滑りと得点の関係が分かりやすいと思います。

2021年のゲレンデも例年通りのコンディションで、ほとんどの人がコブの裏で板を横に振ってスピード制御した滑りで、転倒やコースアウトする人が何人もいました。

 

岩原スキー場

検定バーン

岩原会場の不整地小回りはチャレンジコースの下からみて左半分で行われます。
このコースは、最大斜度23度、平均斜度18度という、プライズ検定にしては緩やかな斜面です。
例年、プライズテストは3月の春分の日に行われるので、コブは柔らかくなっています。

2021年のプライズテストの日も気温が上がり、雪面硬化剤を入れているようですが、あまり効いていませんでした。

受験者の滑り

さすがクラウン受験者の方々です。
特に2021年は斜度がなく柔らかいコブということもあり、ほとんどの方がスムーズに滑られていて、見ている方からすると、どうやって点数をつけるのか考えてしまうほどでした。

下の写真は、テクニカルとクラウン受験者120名弱の演技が終わった後のコブを上から撮ったところです。
フォールラインを向いて一番左のコブのピッチはややタイトで、真ん中のコブはオーソドックスな形をしていました。
何本か滑りましたが、縦にでも、回し込んでも、(降りるだけなら)どのようにでも滑れました。

 

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得点

過去4年で延べ7回、岩原と石打丸山で行われたクラウンプライズテストの得点を集計をしてみてちょっと驚きました。
平均点が一番低かったのは、大変滑りやすいコブで行われた2021年の岩原会場でした。
全体を通してみても、斜度の緩やかな岩原会場の方が点数が低い傾向にあります。

2021年の両会場の得点をみると、岩原会場の受験者はみんな合格と思えるようほど上手く、石打丸山会場の受験者は何人も転倒者がでて、多くの人は横滑りを入れながら滑っていました。
しかし、平均点は石打丸山会場の方が0.4点も高かったのです。
1種目0.4点と聞くと大したことがないように思えますが、4種目に換算すると1.6点で、全受験者の平均と考えると、とんでもない得点差です。

補足情報としてお伝えしておくと、検定員は中越地方の現・元ナショナル/SAJデモンストレーターが行っているので、会場による得点差は少ないと思います。

クラウンプライズテスト受験者の平均点

会場|年 2019年 2020年 2021年 2022年
石打丸山 79.0 点 78.9 点 78.9 点 79.1 点
岩原 78.7 点 データ無 78.5 点 79.1 点

 

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得点の出る滑り方

さて、みなさんが一番知りたい、得点の出る滑り方です。
2021年岩原会場にいた知り合いの超上手い方から教えてもらったのですが、斜度の無い滑りやすいコブで高得点を出すには、整地小回りと同じように滑る必要があるとのことでした。
すなわち、板をたわませ、たわみを開放しながら左右に移動し、そしてトップから谷回りを始めるということです。
滑っている感覚としては、ほとんど整地小回りです。
実際の検定でも縦に滑るだけでは、得点が出ていませんでした。
クラウンレベルになると、コブに合った滑りをする必要があるという事ですね。

 

SAJ、SIAスキー検定(バッジテスト)のまとめ はこちら

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