2024/2025シーズンに 廃止・閉鎖する(かもしれない)スキー場です。
スキー場を廃止するためには、リフトの撤去はもちろん、植林をして原状復帰を行うことが必要な場合が多く、事実上の廃止なのですが、営業中止とする場合が多々あります。
正式に廃止と発表されたスキー場以外は、事実上の廃止と記しています。
ノーザンアークリゾートスキー場、みやぎ蔵王セントメリースキー場、マウントジーンズ那須、そして赤沢スキー場は2023/2024シーズンの営業終了をもって廃止となりました。
2024/2025 スキー場の所有者・運営会社・名称変更、リフト新設・廃止など はこちら
閉鎖する(かもしれない)スキー場
北海道
ノーザンアークリゾートスキー場(営業継続?)
ノーザンアークリゾートスキー場は2024年3月20日(水・祝)をもって、スキー場を運営するノーザンアークリゾートが3月末をもって営業を終了しました。
その後、韓国の企業に譲渡され、英語、韓国語および中国語ではスキー場の紹介があります。
日本語のスキー場紹介はありませんが、営業が継続される可能性が高そうです。
「ノーザンアーク」韓国企業に譲渡 北見のリゾート はこちら
めむろ新嵐山スカイパーク(営業再開)
めむろ新嵐山スカイパーク、国民宿舎、キャンプ場の管理及び運営業務を行う、第三セクターのめむろ新嵐山株式会社(町100%出資)が債務超過に陥っていましたが、町が提出した5170万円の支援金を含んだ一般会計補正予算案が、2023年9月21日の定例町議会で否決され、町は補正予算案を再提出しませんでした。
10月に入り同社の破産手続き開始が決定され、負債額は約1億200万円です。
株式会社コンサドーレとカタギリ・コーポレーション株式会社の合弁会社、株式会社まちのミライがスキー場運営の一部を担うことが決まりました。
まちづくり会社「まちのミライ」が芽室に事業所 スキー場の業務担当 はこちら
だんパラスキー場(2027年3月で廃止)
リフト建設後34年を経過しており、今後20年以内に建て替えが必要だが、長期的な財政の見通しを踏まえると将来このまま建て替えして維持することは難しいとされていました。
市行政改革推進委員会にて公共施設の適正化を検討してきた室蘭市は、だんパラスキー場を廃止する方針を示し、2022年12月1日開会の第4回市議会定例会の総務常任委員会に報告しました。
2024年2月1日の市議会だよりで議員の一般質問に対し、市は令和9年3月に廃止予定と回答しています。
むろらん市議会だより 第120号 2024.2.1 はこちら
ニヤマ高原スキー場
2023年12月初旬、突然、2023/2024シーズンの営業中止が発表されました。
明確な営業中止理由は記載されていません。
宮城県
みやぎ蔵王セントメリースキー場(2024年3月3日をもって廃止)
2024年1月19日、突然に3月20日(水・祝)をもって廃止と発表はありました。
しかし、雪に恵まれず、3月3日(日)をもってスキー場の歴史に幕を閉じました。
やくらいファミリー場(営業中止)
「例年雪不足が深刻化し、今シーズンはわずか2日しか営業することができませんでした。毎年降雪を期待しておりますが、今後も雪不足の懸念を払拭できない状況となっております。社内及び関係者様とも協議を重ねて参りましたが、誠に残念ながら、来シーズンにつきましては営業を行わないという判断に至りました。」とのことです。
秋田県
藤里町営スキー場(復旧調査開始)
2023年7月の大雨でゲレンデ斜面の一部が崩落し、2023/2024シーズンの営業を中止しました。
2024年4月藤里町が復旧調査のための入札を行いましたが、期間が2025年2月28日までとなっているので、再開は早くて2025/2026シーズンとなりそうです。
藤里町町スキー場斜面復旧調査設計業務委託
請負者:奥山ボーリング株式会社
請負額:26,950,000円
期間 :令和7年2月28日
広報669号(令和6年5月号) はこちら
山形県
神室スキー場(指定管理者決定)
譲渡希望者が現れない場合は廃止としていましたが、民間企業と協議を継続しているため、2023/2024シーズンは休日等に限定して町直営で営業しました。
クロスカントリーコースは、町が運営を継続します。
令和4年9月 金山町議会定例会
複数の民間事業者と譲渡、あるいは指定管理者の可能性を話し合ったが、難しいという回答だった。
また、東北索道協会にもスキー場運営を引き受けてくれる事業者がいないか相談したが、難しいとの回答であった。
話し合いを行った民間事業者
- 町内の建設事業者
- 全国でスキー場を運営している企業
- 本社は東京で、県内の人気スキー場を含め全国でスキー場を運営している企業
令和5年3月 金山町議会定例会
町が譲渡先を探しているが、鈴木商会(黒伏高原スノーパーク ジャングル・ジャングル)に断れるなど、山形県内でスキー場を運営している会社の中から探すことは難しいようです。
令和5年4月1日から令和6年3月31日まで「グリーンバレー神室一帯施設等(金山町神室キャンプ場、金山町緑地等広場利用施設、金山町緑地等活用総合管理センター、金山町ふれあい広場、金山町森林学習館、金山町神室スキー場)」の指定管理者が、株式会社有屋建設に決まりましたが、 スキー場の冬季の営業は含まれていません。
方針決定
2023年10月06日、民間企業と協議を継続しているため、2023/2024シーズンは休日等に限定して町直営で営業。
指定管理者
2024年7月1日から、1年9か月間(2シーズン)の指定管理者が決まりました。
鷲尾さんは、株式会社クロスプロジェクトグループの専務取締役です。
- 株式会社 ライズ(代表取締役 鷲尾 晋)
- 指定管理の期間:令和6年7月1日~令和8年3月31日
福島県
Blue Resort MINOWA(営業中止の可能性大)
報道によると、運営会社の横向高原リゾート株式会社の全従業員が、賃金の未払いを理由に退職したようです。
併設するホテルは7月7日から休館しています。
箕輪スキー場が休業状態 賃金未払い、全従業員退職 はこちら
グランディ羽鳥湖スキーリゾート(営業中止)
2024/2025シーズンの営業中止が発表されました。
HPから、営業中止のお知らせ以外のコンテンツが削除され、営業中止の理由から営業再開のハードルは高そうです。
「、、、しかしながら、近年の温暖化による営業可能日数の減少、スキー利用のお客様の減少により、営業継続が困難な状況が続いており、、、」
栃木県
マウントジーンズ那須(2024年3月10日をもって廃止)
マウントジーンズ那須 2023-2024 シーズン営業予定と施設閉場について はこちら
群馬県
赤沢スキー場(2024年3月10日をもって廃止)
日本で3番目に多い8か所のスキー場をかかえる自治体みなかみ町、その中で唯一の町営スキー場でした。
広報みなかみ 2023年12月 No.218では次のように報告されています。
「44年間、営業を続けてきた町営赤沢スキー場は、今シーズンをもって営業を終了します。長年にわたり、町民の皆さまにご利用いただきありがとうございました。赤沢スキー場は当時、林業関係に従事する方の冬場の仕事として、地域産業振興に寄与するため、整備されました。以来、家族連れはもとより、全国大会を目指すこども達や中高生の練習の場としも、スキー関係者に親しまれてきました。」
新潟県
村上市ぶどうスキー場(2024/2025シーズンをもって廃止)
利用者の減少やリフトの老朽化、従業員の確保が困難なことなどで、2024/2025シーズンをもって廃止とのことです。
新潟県村上市の「ぶどうスキー場」が今冬最後に閉鎖、村上市議会の関連議案可決で正式決定 はこちら
Mt.グランビュースキー場
コロナ下の2022/2023シーズンまで営業をしていたのに、コロナ明けの2023/2024シーズンは営業中止です。
シャルマン火打スキー場
糸魚川シーサイドバレースキー場
報道によると、「新潟県糸魚川市が所有する糸魚川シーサイドバレースキー場と、シャルマン火打スキー場の運営状況などに関する民間会社の調査結果がまとまった。両スキー場は赤字経営で、市は毎年指定管理料などで計2億円を支出。調査結果では「競争力が低く、市からの補助に依存した体制」と指摘された。市は今後、市議会などとも協議を重ね、2025年度までに二つのスキー場の在り方について方向性を示す方針だ。」とのことです。
新潟糸魚川市にスキー場は必要か?赤字の市有2施設に「競争力低い」の痛烈指摘 存続?閉鎖?または…2025年度までに検討(記事削除)
福井県
九頭竜スキー場
令和4年3月改訂(第3版)、大野市公共施設等総合管理計画~大野市公共施設再編計画編~にて、施設の方向性として「令和6年度の指定管理終了までに民間事業者への譲渡を検討する。」となっています。
譲渡希望者が現れない場合はただちに廃止とはなっていませんが、先行きが不透明です。
大野市 公共施設等総合管理計画 はこちら
長野県
Mt.乗鞍スノーリゾート(営業を決定)
M&A案件紹介サイトBATOMZ(バトンズ)で、事業譲渡の案件が紹介され、スキー場名は明記されていませんが、記載内容からMt.乗鞍スノーリゾートであると考えらていました。
2024年10月14日、HPで正式に現運営会社での営業継続が困難と発表がありました。
その後、地元の有志が立ち上がり、今シーズンの営業継続が決定しました。
経緯を含め、詳細をまとめています。
運営会社が営業中止を通告。どうなる? Mt.乗鞍スノーリゾート はこちら
Mt.乗鞍スノーリゾート 休暇村エリア(営業中止)
Mt.乗鞍スノーリゾートの休暇村エリアは、一般財団法人休暇村協会が運営しています。
2021/2022シーズンから4シーズン連続の営業中止となります。
2024/2025シーズン スキー場営業について はこちら
野麦峠スキー場
報道によると、松本市は野麦峠スキー場の今後の方向性を年度内に判断する方針とのことです。
同市は、スキー場管理費として年約1億6000万円を支出しています。
奈川地区持続へ来月 計画策定 松本市 スキー場の在り方も検討 はこちら
野麦峠スキー場 存廃正念場 2シーズンは営業継続へ はこちら
やぶはら高原スキー場(存続決定)
6月29日に開いた村民集会で、木祖村の奥原秀一村長は、存廃の両面で検討してきたやぶはら高原スキー場について「存続に向け、財政負担を含めた責任を果たしていく」と宣言した。
やぶはら高原スキー場 木祖村 存廃を来月判断 今季は好調 利用7万人超 はこちら
やぶはらスキー場 存続へ 木祖村 奥原村長 集会で宣言 来年度以降設備投資 はこちら
御嶽スキー場
御嶽スキー場の存続・廃止を含めた将来的なあり方を主に考える「村観光産業検討委員会」が2023年11月に発足。
2026年9月末までに最終判断をするとしています。
滋賀県
国境スノーパーク
2023/2024シーズンは、人手不足により営業を中止しました。
同スキー場を運営する株式会社SNOW PARK RESORTは、スノークルーズ・オーンズ(北海道)も運営しています。
本当に人手不足の問題であればよいのですが、、、
HPは、トップページ除き削除されています。
岡山県
津黒高原スキー場
報道によると、リフト運行に必要な技術管理者の確保ができず、2023/2024シーズンの営業中止を決定したそうです。
今季以降の営業も未定です。
広島県
スノーリゾート猫山
電気代高騰と施設の老朽化により、2023/2024シーズンの営業中止が決定しました。
書き方からすると、再開が危ぶまれます。
宮崎県
五ケ瀬ハイランドスキー場(営業再開)
2022年、台風14号の影響で、スキー場につながる唯一の道路で土砂崩れが発生し2022/2023シーズンの営業が中止となりました。
2023年7月31日、道路の復旧の目途が立たず、2023/2024シーズンの営業中止が発表されました。道路の復旧には法面の大規模補強工事が必要であり、五ケ瀬町が国や県に援助を働きかけています。
12月5日に行われた宮崎県議会一般質問で、五ケ瀬町は80mに渡る大規模な地滑り区間は本格復旧ではなく、仮設道路を作りシャトルバスのみの通行を許可し、スキー場の営業再開を目指す方針が説明されました。
2シーズン営業中止の五ヶ瀬ハイランドスキー場 仮設道路の整備で来シーズン再開へ 宮崎県 はこちら
2024年8月1日、秋までに道路の仮復旧が終わり、通行できるようになる見通しが立ったとして、12月20日から、3シーズンぶりに営業を再開することが発表されました。
日本最南端のスキー場 3シーズンぶりに営業再開へ 五ヶ瀬町 はこちら
環境要因
ここで少しだけ、利用者数に影響を与える環境要因を考えてみたいと思います。
交通網の整備
高速道路などの交通網の整備が進み、スキー場までの道が整備されてきました。
その結果、ICから近いスキー場の利用者が増え、山間のスキー場の利用者が減る傾向が顕著です。
自宅からスキー場に歩いて行ける人は限られており、スキー場がある自治体に住んでいる方でも車で移動することがほとんどです。
その場合、複数のスキー場がある地域では30分ぐらい時間が余計にかかっても大規模なスキー場に人が集まりやすくなっています。
若年人口の減少
スキー・スノーボードなど、ある程度の筋力を必要とするスポーツは、若年層の方が実施する割合が高くなります。
すなわち、若年層の減少はそのまま、スポーツ人口の減少を意味します。
また、スキー場がある地域は豪雪地帯であり、人口が減少、そして高齢化がすすんでいる自治体が多く、授業として利用する小・中学生が減少しています。
スキー場の標高
スノースポーツは降雪量などの天候に大きく左右されます。
標高の低いスキー場は、安定した降雪を得ることが出来ず、結果として営業日数に影響がでてきます。
また、気温が高いため人工降雪機を利用することもままなりません。
その結果、標高が高く雪質が安定しているスキー場に人が集まりやすくなっています。
最後に
バブル期の栄光が大きかっただけに、その後の環境変化についていけなかったスキー場が多く残っています。
特に、スキー場の半数以上を占める地方自治体が所有するスキー場は、税金という名の赤字補填を行い市場原理が働きにくい状況で、人口数千人の町や村が、数億円単位の税金を投入し維持しているスキー場もあります。
その結果、近隣の民営スキー場が閉鎖に追い込まれたところもあります。
コロナの影響で落ち込んでいるとはいえ、その前の10年のスキー・スノーボード人口はほぼ横ばいで、決して斜陽産業ではありません。
ここに海外からの観光観光客を取り込めれば、発展の可能性が十分にあります。
しばらくは生みの苦しみが続くと思いますが、産業構造の改革を行い、スキー場が魅力あるコンテンツになることを願ってやみません。
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