2025/2026シーズン以降に 廃止・閉鎖する(かもしれない)スキー場です。
スキー場を廃止するためには、リフトの撤去はもちろん、植林をして原状復帰を行うことが必要な場合が多く、事実上の廃止なのですが、営業中止とする場合が多々あります。
正式に廃止と発表されたスキー場以外は、事実上の廃止と記しています。
村上市ぶどうスキー場が、2025年3月9日(日)をもって廃止されます。
2024/2025 スキー場の所有者・運営会社・名称変更、リフト新設・廃止など はこちら
閉鎖する(かもしれない)スキー場
北海道
だんパラスキー場(2027年3月で廃止)
リフト建設後34年を経過しており、今後20年以内に建て替えが必要だが、長期的な財政の見通しを踏まえると将来このまま建て替えして維持することは難しいとされていました。
市行政改革推進委員会にて公共施設の適正化を検討してきた室蘭市は、だんパラスキー場を廃止する方針を示し、2022年12月1日開会の第4回市議会定例会の総務常任委員会に報告しました。
2024年2月1日の市議会だよりで議員の一般質問に対し、市は令和9年3月に廃止予定と回答しています。
むろらん市議会だより 第120号 2024.2.1 はこちら
宮城県
やくらいファミリー場
2024/2025シーズンは営業中止
「例年雪不足が深刻化し、今シーズンはわずか2日しか営業することができませんでした。毎年降雪を期待しておりますが、今後も雪不足の懸念を払拭できない状況となっております。社内及び関係者様とも協議を重ねて参りましたが、誠に残念ながら、来シーズンにつきましては営業を行わないという判断に至りました。」とのことです。
秋田県
松森スキー場
湯口内スキー場
利用者の減少や施設の老朽化のため、2024/2025シーズンは営業を中止しました。
広報きたあきた 2024年12月号(No.285) はこちら
福島県
Blue Resort MINOWA
2024年7月7日から、運営会社の横向高原リゾート株式会社の全従業員が、賃金の未払いを理由に退職し、併設するホテルは休館。
11月22日、町が調整を続けていましたが、2024/2025シーズンの営業を断念しました。
箕輪スキー場 今シーズンの営業断念へ 猪苗代町 はこちら
グランディ羽鳥湖スキーリゾート
2024/2025シーズンの営業は中止されました。
HPから、営業中止のお知らせ以外のコンテンツが削除され、営業中止の理由から営業再開のハードルは高そうです。
「、、、しかしながら、近年の温暖化による営業可能日数の減少、スキー利用のお客様の減少により、営業継続が困難な状況が続いており、、、」
会津高原だいくらスキー場(2031年3月をもって廃止)
北日光・高畑スキー場(2031年3月をもって廃止)
2024年12月13日に開催された南会津町議会全員協議会で、同町の4つのスキー場のうち、会津高原だいくら、北日光・高畑の二つのスキー場を2031年3月末で閉鎖する方針を示されました。
その後、町財政負担がなく民間事業者による運営が実現できる場合は、賃借契約等による運営を可能とすると、方針が修正されました。
南会津の2スキー場、存続の余地 町が修正案、民間事業者運営で はこちら
新潟県
村上市ぶどうスキー場(2025年3月9日(日)をもって廃止)
利用者の減少やリフトの老朽化、従業員の確保が困難なことなどで、2025年3月9日(日)をもって廃止されます。
新潟県村上市の「ぶどうスキー場」が今冬最後に閉鎖、村上市議会の関連議案可決で正式決定 はこちら
シャルマン火打スキー場
糸魚川シーサイドバレースキー場
報道によると、「新潟県糸魚川市が所有する糸魚川シーサイドバレースキー場と、シャルマン火打スキー場の運営状況などに関する民間会社の調査結果がまとまった。両スキー場は赤字経営で、市は毎年指定管理料などで計2億円を支出。調査結果では「競争力が低く、市からの補助に依存した体制」と指摘された。市は今後、市議会などとも協議を重ね、2025年度までに二つのスキー場の在り方について方向性を示す方針だ。」とのことです。
新潟糸魚川市にスキー場は必要か?赤字の市有2施設に「競争力低い」の痛烈指摘 存続?閉鎖?または…2025年度までに検討(記事削除)
福井県
九頭竜スキー場
令和4年3月改訂(第3版)、大野市公共施設等総合管理計画~大野市公共施設再編計画編~にて、施設の方向性として「令和6年度の指定管理終了までに民間事業者への譲渡を検討する。」となっています。
譲渡希望者が現れない場合はただちに廃止とはなっていませんが、先行きが不透明です。
大野市 公共施設等総合管理計画 はこちら
長野県
Mt.乗鞍スノーリゾート
M&A案件紹介サイトBATOMZ(バトンズ)で、事業譲渡の案件が紹介され、スキー場名は明記されていませんが、記載内容からMt.乗鞍スノーリゾートであると考えらていました。
2024年10月14日、HPで正式に現運営会社での営業継続が困難と発表がありました。
その後、地元の有志が立ち上がり、2024/2025シーズンの営業継続が決定しました。
経緯を含め、詳細をまとめています。
【今シーズンの営業決定】運営会社が営業中止を通告。どうなる? Mt.乗鞍スノーリゾート はこちら
Mt.乗鞍スノーリゾート 休暇村エリア
Mt.乗鞍スノーリゾートの休暇村エリアは、一般財団法人休暇村協会が運営しています。
2021/2022シーズンから営業を中止しています。
2024/2025シーズン スキー場営業について はこちら
野麦峠スキー場
報道によると、松本市は野麦峠スキー場の今後の方向性を年度内に判断する方針とのことです。
同市は、スキー場管理費として年約1億6000万円を支出しています。
奈川地区持続へ来月 計画策定 松本市 スキー場の在り方も検討 はこちら
野麦峠スキー場 存廃正念場 2シーズンは営業継続へ はこちら
御嶽スキー場
御嶽スキー場の存続・廃止を含めた将来的なあり方を主に考える「村観光産業検討委員会」が2023年11月に発足。
2026年9月末までに最終判断をするとしています。
岐阜県
母袋スキー場
2022/2023、2023/2024シーズンは小雪で営業できず、2024/2025シーズンは12月28日に営業中止が発表されました。
環境要因
ここで少しだけ、利用者数に影響を与える環境要因を考えてみたいと思います。
交通網の整備
高速道路などの交通網の整備が進み、スキー場までの道が整備されてきました。
その結果、ICから近いスキー場の利用者が増え、山間のスキー場の利用者が減る傾向が顕著です。
自宅からスキー場に歩いて行ける人は限られており、スキー場がある自治体に住んでいる方でも車で移動することがほとんどです。
その場合、複数のスキー場がある地域では30分ぐらい時間が余計にかかっても大規模なスキー場に人が集まりやすくなっています。
若年人口の減少
スキー・スノーボードなど、ある程度の筋力を必要とするスポーツは、若年層の方が実施する割合が高くなります。
すなわち、若年層の減少はそのまま、スポーツ人口の減少を意味します。
また、スキー場がある地域は豪雪地帯であり、人口が減少、そして高齢化がすすんでいる自治体が多く、授業として利用する小・中学生が減少しています。
スキー場の標高
スノースポーツは降雪量などの天候に大きく左右されます。
標高の低いスキー場は、安定した降雪を得ることが出来ず、結果として営業日数に影響がでてきます。
また、気温が高いため人工降雪機を利用することもままなりません。
その結果、標高が高く雪質が安定しているスキー場に人が集まりやすくなっています。
最後に
バブル期の栄光が大きかっただけに、その後の環境変化についていけなかったスキー場が多く残っています。
特に、スキー場の半数以上を占める地方自治体が所有するスキー場は、税金という名の赤字補填を行い市場原理が働きにくい状況で、人口数千人の町や村が、数億円単位の税金を投入し維持しているスキー場もあります。
その結果、近隣の民営スキー場が閉鎖に追い込まれたところもあります。
コロナの影響で落ち込んでいるとはいえ、その前の10年のスキー・スノーボード人口はほぼ横ばいで、決して斜陽産業ではありません。
ここに海外からの観光観光客を取り込めれば、発展の可能性が十分にあります。
しばらくは生みの苦しみが続くと思いますが、産業構造の改革を行い、スキー場が魅力あるコンテンツになることを願ってやみません。
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