公益財団法人北海道スキー連盟は事業報告書を毎年公開しており、その中にスキー検定(バッジテスト)の受験者数と合格者数があります。
地理的なことを考えると受験者のほとんどは道民で、ほぼ全ての自治体にスキー場があるという同じ環境の方々の受験結果から各級、プライズの合格難易度を推測してみました。
級別、プライズテスト
受験者像
正確な数字は発表されていませんが、過去のデータなどから総合的に判断すると、スキー検定受験者数1位は長野県で2位を新潟県と北海道が争っていると考えられます。
しかし、受験者の出身地は北海道と長野県・新潟県では大きな違いがあります。
長野県は首都圏と中京圏、新潟県は首都圏の受験者が多く、特にプライズテスト受験者の大半は県外在住者です。
一方、北海道は受験者がほぼ道内の方で、生まれた時から雪に慣れ親しんだ環境です。
現在でも150近くのスキー場があり、小・中学校の授業にも取り入れられています。
合格率
各検定の受験者数と合格者数が載っているので、合格率を計算しました。
2級、1級、テクニカル、クラウンの2017/2018~2022/2023まで6シーズンと累計の合格率です。
累計は6シーズン合計の合格者数を受験者数で割った値で、合格率の平均ではありません。
2級の合格率は37%で、1級の36%とほぼ同じでした。
テクニカルの合格率は19%、クラウンは12%と難易度があがっていることが分かります。
また、累計の2級受験者数は23,000名を超え、統計データとしては十分な数です。
検定別合格者数の割合
難易度を探るうえで合格率は重要な数値ですが、各検定の受験者はレベルが違うので同じ土俵で比べることはできません。
そこで、合格者数に注目してみました。
受験者の特性(?)として、検定に合格すると次のレベルを目指し、2級合格者は1級、1級合格者はテクニカルと時間がかかってもあきらめるまで受験を続けます。
このことから、検定の難易度は合格者数に現れていると考えました。
特に北海道の場合、会場は変われど道内で受験するすることがほとんどだと思われるので、傾向をみるのに適しています。
次のグラフは6シーズン累計の各検定の合格者の割合を円グラフにしたものです。
単純に2級からクラウンまでの合格者の合計数を分母とする割合です。
しかし、実際には1級合格者は2級も合格しているので、長期間のデータの中には2級合格者の中に1級合格者が含まれていることになります。
同様に1級合格者の中にはテクニカル合格者も含まれています。
上記の重複を排除し、最終的にどの検定に合格したかをまとめたのが次のグラフです。
(2級合格者数が分母で、最終的に合格した検定の割合です)
このグラフから、2級合格者があきらめるまで受験を続けると、2級のままが45.9%、1級が46.6%、テクニカルが6.3%、そしてクラウンまで到達できる人が1.3%ということになります。
北海道では授業の延長で2級を受験して、他のスポーツにのめり込むなど実力があっても上位の検定を受験しない人もいるので他の地域と比較は難しいかもしれませんが、それでも2級合格者の77人の内クラウンに合格できる人は1名と考えるとその難易度がよく分かります。
最後に
この合格者数の割合をどう感じましたか。
ここ数年、毎年複数の会場のクラウン検定を(ビデオ係として)見ていて、クラウン検定の合格率は分かっていましたが、全受験者の中での位置づけは分かっていませんでした。
クラウン合格の難しさを再認識するデータでした。
SAJ、SIAスキー検定(バッジテスト)のまとめ はこちら
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