2019年から2022年にかけて、新潟県スキー連盟主催の2会場7回のクラウンプライズテストの結果から、合格のポイントを考察しました。
合格率
新潟県スキー連盟主催のクラウンプライズ検定は、テクニカルプライズ検定と同時開催です。
全会場とも検定員は、現あるいは元ナショナルデモンストレーターを含む全日本スキー技術選手権大会の本選に出場していた方々です。
主催 :新潟県スキー連盟
会場 :2019年 石打丸山、岩原
2020年 石打丸山
2021年 石打丸山、岩原
2022年 石打丸山、岩原
受験者数:316名(延べ)
合格者数: 26名
合格率 : 8.2%
同時開催のテクニカルプライズより、ほんの少し高い合格率です。
受験者像
平均点
全受験者316名の平均点です。
全種目とも、平均点がほぼ79点で、種目間の差はほとんどありません。
フリー | 大回り | 小回り | 不整地 | 合計 | |
平均点 | 79.0 | 79.0 | 78.9 | 78.9 | 315.9 |
次に受験者の4種目の合計点の分布です。
平均点からも分かる通り、316点の方がもっとも多く、綺麗な3角形(正規分布)です。
テクニカルプライズとの比較
同時に同会場で行われた、クラウンとテクニカルの得点別の割合を算出しました。
比較しやすいように、合格点を「0」とし、プラス・マイナスで表しています。
縦軸は割合で、全部を足すと各々100%となります。
パットみ、直感的に分かることが、クラウンの得点分布はテクニカルに比べて中央によっていてばらつきが少ないという事です。
全受験者の平均点もクラウンが合格点に対し -4.1点 であるのに対し、テクニカルは -6.0 点です。
このことから、テクニカルとクラウンの技術差より、テクニカルと1級との技術差の方が大きいことが分かります。
あっ、クラウンが簡単だと言っているわけではなく、差が少ないと言っているだけですよ。
合格者像
合格者とはどのような方でしょうか。
平均点
全合格者26名の平均点です。
全種目、ほぼ合格点の80点で、4種目合計の平均点が321点に届いていないという事は、320点で合格した人の割合が多いことを表しています。
フリー | 大回り | 小回り | 不整地 | 合計 | |
平均点 | 80.3 | 80.1 | 80.0 | 80.2 | 320.6 |
加点・減点数
合格者の得点傾向をみるために、加点と減点種目を調べました。
2種目81点の方が5名おられましたが、3種目加点の方はいませんでした。
テクニカル同様に、全種目80点で合格することは難易度が高そうです。
- 2種目81点以上:5名
- 1種目81点以上:15名
- 全種目80点 :6名(全受験者の1.9%)
- 1種目79点以下:9名
- 2種目79点以下:2名
最高点
次に26名の方の最高点をみてみます。
なんと、2点以上加点した人はたった2人で種目はコブでした。
その滑りを会場で見ていたのですが、他の方に比べて飛び抜けて上手かったことは言うまでもありません。
- 84点:1名
- 83点:ー
- 82点:1名
- 81点:18名
- 80点:6名
合格者と不合格者の種目別平均点
合格者と不合格者の種目別平均点とその差です
わずかですが、コブの得点差がもっとも大きくなりました。
フリー | 大回り | 小回り | 不整地 | 合計 | |
合格者 平均点 |
80.3 | 80.1 | 80.0 | 80.2 | 320.7 |
不合格者 平均点 |
78.9 | 78.9 | 78.8 | 78.8 | 315.4 |
差 | 1.3 | 1.2 | 1.3 | 1.4 | 5.5 |
合格のポイント
クラウン合格はテクニカルと同様に加点できる種目があるかないかが、大きなポイントのようです。
しかし、テクニカルと違い、1種目で2点以上の加点はほぼ望めなません。
また、コブの克服の重要度は、他の種目より高いようです。
合格は簡単なことではありませんが、1級とテクニカルの間にある壁より、テクニカルとクラウンの間の壁は、ちょっとだけですが低そうです。
合格目指して、頑張ってください。
SAJ、SIAスキー検定(バッジテスト)のまとめ はこちら
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