一般のスキーヤーは休日にスキー場に向かいますが、11月後半からGWまで全ての土日祝日を滑ったとしても約60日しかありません。
そんなヘビースキーヤー(?)でも、年間300日以上は自宅にいることになります。
その間にスポーツで重要と言われている、イメトレ(イメージ・トレーニング)とオフトレ(陸上でのトレーニング)を行うのはどうでしょうか。
横着者の私は、なかなか決まった時間に行うことができませんが、イメトレは通勤電車や布団の中で、オフトレはブログを書いていて一服したい時などに行っています。
たった、これだけのことでも、雪上での効果は絶大です。
スキーが上手くなりたいという方に、役立つオフトレをご紹介します。
イメトレ
イメージトレーニングは、スポーツにおいて実際に体を動かすことなく動いている自分をイメージすることで、実際の運動をスムーズに行えるようにすることです。
イメトレのメリット
イメトレのメリットは何と言っても場所と時間を選ばないことです。
加えて、スキーやスノーボードのように体力を使うスポーツは連続して練習を行うことができませんが、イメトレであれば何度でも時間の許す限り繰り返し練習(イメージ)することができます。
また、スキー場のゲレンデの状態は一様ではなく、ゲレンデ毎に斜度は違い、日によって雪面状況が変化します。
しかしイメトレでは、自分の練習を行いたい(頭の中の)ゲレンデで練習を行うことが可能で、練習をしたい運動についても、体のパーツに分けて、スローモーション、一旦停止など自由自在で、自分の課題にフォーカスをした練習を行えます。
不思議なもので、雪上で出来ない動きは、イメージの中でも上手くいきません。
しかし、イメトレを繰り返すとだんだんと動きが矯正され、イメージ通りの滑りが出来るようになります。
そして、そのイメージを持って雪上立つと、いきなり滑れるようになっていることもあります。
信じられないかもしれませんが、少なくとも私はそうした経験が何度かあります。
オフトレ
オフトレには大きく分けると2つの種類があります。
ひとつは、ランニングや筋トレなど、持久力や筋力をつけるためのもので、どのスポーツでも共通して行うトレーニングです。
こちらは多くの人が行っているので、みなさんよくご存じだと思います。
もうひとつは、スキー独特の動きを身につけるためのものです。
例えば、ピアノを弾くことを想像してください。
初めての方は左右の手が違う動きをすることができません。
しかし、誰でも練習をすればある程度は両手で引くことが出来るようになります。
ピアノの例と同じように、スキーにも知らないとできないが、練習すれば誰でもできる動きがあり、その動きを意識して練習する必要があります。
ここからは、このスキー独特の動きを身につけるオフトレについてです。
オフトレのメリット
オフトレはイメトレに比べて場所と時間の制約がありますが、それでも雪上よりも圧倒的に長い時間練習を行うことができます。
そして、なんと言っても一番のメリットは地面が動かないことだと思います。
ゲレンデで滑りながら、出来ない動きを行うことは、大変難しいことです。
足元が動いて(滑って)いるのでバランスをとる必要があり、かつ今までできない動きを行うことは並大抵のことではありません。
まず、静止状態で、スキーに必要な動きを、スムーズにそして無意識で行えるまで練習します。
そうすることによって、雪上では滑りながらバランスをとることに注力することができます。
また、ある程度年齢を重ねると、捻り動作などそれまでの人生で行ってこなかった動きは、静止していても出来ないことがあります。
あたりまえですが、そのような動きを、いきなり雪上で出来るはずがありません。
また、ゲレンデ滑ることは体力を使い、リフトの営業時間もあるので、練習できる回数や時間が限られてしまいます。
一方、陸上では行いたい動きに集中でき、かつ滑ることに比べはるかに体の負担が少ないので、多くの回数、反復して練習することが可能です。
練習内容
バランス
バランスには、前後、上下、左右の3方向があります。
滑走中は足下が動いているので、バランスがとりにくくなります。
まずは、地面が動かない状態でしっかりとバランスをとれるようになることが重要です。
特に、前後、上下のバランスは陸上で完璧にできるようになってください。
左右のバランスだけは少し状況が違います。
ゲレンデには斜度があるので、整地と同じバランスというわけにはいきません。
整地である程度、左右のバランスがとれるようになったら、実践が重要になってきます。
前後のポジションを鍛える練習 はこちら
上下のポジションを鍛える練習 はこちら
左右のポジションを鍛える練習 はこちら
捻り
捻り動作を行うためには、まず、どの部分を、どの筋肉で、どのように動かすかを把握することから始める必要があります。
捻りは内面の動きなので、インストラクターが捻り動作ができていないことを指摘することはできても、筋肉の動かし方を教えることは困難です。
捻り動作ができない理由の一つに、動かしかが分からないという問題があります。
これは、使わない筋肉は退化していき、脳から指令を伝える力が弱くなっているからです。
人によっては体が硬く、ストレッチから行う必要も出てきます。
このような練習を滑りながら行うことは事実上不可能です。
特にローテーションが治らない方は、陸上でトレーニングすることを強くお勧めします。
捻りの練習 はこちら
ストックワーク
滑りの中でストックワークは地味な存在ですが、ストックを突くことによってバランスを崩している方を多く見かけます。
また、手を前にという言葉が頭に残り、ストックワークの方法自体を勘違している方もいらっしゃいます。
滑走中はストックを突く回数も限定的ですが、陸上では集中して何度でも行うことが可能です。
ストックワークは陸上のみでマスター可能なので、しっかりと練習しましょう。
ストックワークの練習 はこちら
効果の確認
私の場合、ゲレンデに行くのはイメトレ、オフトレの成果を確かめにいくと言っても過言ではありません。
以前、小回りの谷回りが上手くできなかったとき、イメトレで克服したことがあります。
始めのうちは、イメージでも、実際の滑りと同様に体が山側に残り切替が行えませんでした。
試行錯誤を繰り返しながら、何度も何度もイメトレを行っていると、何かの拍子で上手く滑れるイメージできるようになりました。
そして、イメトレでだんだんと成功するターンが多くなってきました。
その後、実際にゲレンデに立った時、滑れるようになっていました。
また、滑りの課題が見つかるとシーズン中でもまずは屋内でその動きができるようにしっかりと練習行います。
そうすると、あら不思議、雪上で滑ると既にその課題を克服しています。
私のようなサンデースキーヤーにとっては、平日に自宅でイメトレ、オフトレを行い、週末にその成果を試し、また課題を持ち帰るという繰り返しができるようになり、雪上のみで練習を行うことと比べ効率よく上達ができます。
オフシーズンに限らず、オンシーズンでもオフトレを積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
コブ・小回りの練習方法のまとめ はこちら
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