2023/2024シーズンに 廃止・閉鎖する(かもしれない)スキー場です。
スキー場を廃止するためには、リフトの撤去はもちろん、植林をして原状復帰を行うことが必要な場合が多く、事実上の廃止なのですが、営業中止とする場合が多々あります。
正式に廃止と発表されたスキー場以外は、事実上の廃止と記しています。
2023年3月12日をもって、ひだ舟山スノーリゾートアルコピアの営業終了です。
にかほ巾山スキー場と千畳敷スキー場はロープトゥ廃止し、スキー場としての役割を終えました。
めむろ新嵐山スカイパークは倒産、蟹田スキー場と赤沢スキー場は今シーズンの営業終了をもって廃止となります。
コロナなどを理由で営業を中止していたスキー場で今シーズンも営業を行わないスキー場は、事実上の廃止としました。
2023/2024 スキー場の運営会社変更、名称変更、リフト新設など はこちら
閉鎖する(かもしれない)スキー場
北海道
めむろ新嵐山スカイパーク(事実上の廃止>再開を模索)
めむろ新嵐山スカイパーク、国民宿舎、キャンプ場の管理及び運営業務を行う、第三セクターのめむろ新嵐山株式会社(町100%出資)が債務超過に陥っていました。
町が提出した5170万円の支援金を含んだ一般会計補正予算案が、9月21日の定例町議会で否決され、町は補正予算案を再提出しませんでした。
9月27日、「10月10日11時を持ちまして営業終了閉館、閉業とさせていただきます。ウインターシーズンにつきましても営業はいたしません。」と発表があり、早割シーズン券を購入された方には返金が行われました。
10月に入り同社の破産手続き開始が決定されました。
負債額は約1億200万円です。
スキー場や宿泊施設を運営…町100%出資の第三セクター “破産手続き開始決定” 負債総額は1億円超 はこちら
10月22日に行った町の説明会では、2025年4月に新嵐山スカイパークの再開を目指したいとのことです。
ただ、債務超過状態にある同社への追加の支援案を、町議会に圧倒的多数で否決された経緯があり、町の意向通りになるか不透明です。
新嵐山25年4月再開模索、スキー場は来年度にも スカイパーク経過報告で手島町長 はこちら
だんパラスキー場(2026年度末で廃止か?)
リフト建設後34年を経過しており、今後20年以内に建て替えが必要だが、長期的な財政の見通しを踏まえると将来このまま建て替えして維持することは難しいとされていました。
市行政改革推進委員会にて公共施設の適正化を検討してきた室蘭市は、だんパラスキー場を廃止する方針を示し、2022年12月1日開会の第4回市議会定例会の総務常任委員会に報告しました。
札幌北広島クラッセスノーパーク(事実上の廃止)
2020/21から3シーズン連続で営業を行っていません。
クラッセのHPを掲載している北広島クラッセホテルのアクティビティ一覧からスキー場の項目が無くなりました。
HP自体は存在しており、直接アクセスすることはできます。
また、株式会社アンビックスのHP内にはゲレンデガイドが残っています。
広富スキー場(事実上の廃止)
2020/2021から3シーズン、故障のためロープトゥの運行を中止し、雪遊び広場として営業しています。
仁木町民スキー場(2025年 リフト更新)
令和5年度から老朽化したリフト及びナイター照明の更新工事を行い、令和7年度にリニューアルオープンするため、一旦営業を休止するとのことです。
令和5年度から仁木町民スキー場は一旦営業を休止します はこちら
ニヤマ高原スキー場(営業中止)
12月初旬、突然、今シーズンの営業中止が発表されました。
明確な営業中止理由は記載されていません。
青森県
蟹田スキー場(一般営業中止後、廃止方針)
外ケ浜町は、2023/2024シーズンは通常営業を休止し町内小学校のスキー教室のみの運営とし、2024年3月でスキー場を廃止する方針だが、パブリックコメントを参考にして、12月町議会への関連議案の提出を予定しています。
運営費が年間200万円前後かかる上、管理運営に当たる「外ケ浜スキークラブ」の会員減少と高齢化しているとのことです。
10月2日~10月31日の期間、パブリックコメントを募集しておりましたが、大きな反対意見ははく町の提案通りになると思われます。
まかど温泉スキー場(営業中止>廃止の可能性有)
2022年8月下旬の大雨で斜面が崩落し、リフトの支柱2基が倒壊しました。
復旧に多額の費用が必要なため、閉鎖も検討されています。
現地の方の話によると、2023年10月時点で斜面の崩落は手つかずの状態です。
野辺地町の国設野辺地まかど温泉スキー場紹介ページに次のように記されていました。
「令和4年8月の大雨による土砂崩れの影響により、令和5年度はアルペンコースの営業を中止といたします。」
秋田県
にかほ巾山スキー場(廃止>雪遊び広場)
報道によると、圧雪車が故障し修繕が不可能になったことや利用者が減り続けていたことから、圧雪車による整備を行わず、雪遊びやスノートレッキングなどイベント時のみ開放するとのことです。
にかほ市唯一のスキー場「巾山」事実上の閉鎖 圧雪車故障、イベント時のみ開放へ はこちら
藤岡町営スキー場(営業中止)
2023年7月の大雨でゲレンデ斜面の一部が崩落し、今シーズンの営業が中止となりました。
山形県
神室スキー場(1年継続)
譲渡希望者が現れない場合は廃止としていましたが、民間企業と協議を継続しているため、2023/2024シーズンは休日等に限定して町直営で営業することになりました。
クロスカントリーコースは、町が運営を継続します。
議会全員協議会
2022年7月29日に開催された議会全員協議会において、町長からグリーンバレー神室のあり方について一部見直しの説明がありました。
- 神室スキー場:
譲渡先が無ければ、2023/2024シーズンの営業は行わない - ホットハウスカムロ(温泉施設):
毎週1回休館とし、建物の歓喜を図ることにより、現在の施設で2年程度営業を継続
令和4年9月 金山町議会定例会
複数の民間事業者と譲渡、あるいは指定管理者の可能性を話し合ったが、難しいという回答だった。
また、東北索道協会にもスキー場運営を引き受けてくれる事業者がいないか相談したが、難しいとの回答であった。
話し合いを行った民間事業者
- 町内の建設事業者
- 全国でスキー場を運営している企業
- 本社は東京で、県内の人気スキー場を含め全国でスキー場を運営している企業
令和5年3月 金山町議会定例会
町が譲渡先を探しているが、鈴木商会(黒伏高原スノーパーク ジャングル・ジャングル
)に断れるなど、山形県内でスキー場を運営している会社の中から探すことは難しいようです。
令和5年4月1日から令和6年3月31日まで「グリーンバレー神室一帯施設等(金山町神室キャンプ場、金山町緑地等広場利用施設、金山町緑地等活用総合管理センター、金山町ふれあい広場、金山町森林学習館、金山町神室スキー場)」の指定管理者が、株式会社有屋建設に決まりましたが、 現時点では夏の営業のみを想定しているとのことです。
方針決定
2023年10月06日、民間企業と協議を継続しているため、2023/2024シーズンは休日等に限定して町直営で営業。
グリーンバレー神室の新たな町の方針決まる! はこちら
福島県
ファミリースノーパークばんだい×ばんだい(事実上の廃止か?)
2020/21から3シーズン連続で営業を行っていません。
12月に入ってもHPは更新されておらず、このまま廃止となる可能性が高いと考えられます。
三島町営スキー場(事実上の廃止>雪遊び広場)
もともと、ロープトゥ1本で、土日のみ無料で運営を行っていました。
平成30年から、圧雪車の故障かつ修理部品がなく、保育園のソリ遊びのみで使用しています。
令和3年度 教育委員会点検・評価報告書 はこちら
群馬県
赤沢スキー場(2024年3月10日をもって廃止)
日本で3番目に多い8か所のスキー場をかかえる自治体みなかみ町、その中で唯一の町営スキー場でした。
広報みなかみ 2023年12月 No.218では次のように報告されています。
「44年間、営業を続けてきた町営赤沢スキー場は、今シーズンをもって営業を終了します。長年にわたり、町民の皆さまにご利用いただきありがとうございました。赤沢スキー場は当時、林業関係に従事する方の冬場の仕事として、地域産業振興に寄与するため、整備されました。以来、家族連れはもとより、全国大会を目指すこども達や中高生の練習の場としも、スキー関係者に親しまれてきました。」
新潟県
五日町スキー場(事実上の廃止)
2021/22から3シーズン連続の営業中止です。
事実上の廃止と考えられます。
Mt.グランビュースキー場(営業中止)
今シーズンの営業中止が、スキー場のHPではなく、公益社団法人 新潟県観光協会から発表されました。
コロナ下の2022/2023シーズンまで営業をしていたのに、コロナ明けの今シーズンから営業中止ということは、あまりよいサインではなさそうです。
石打花岡スキー場(事実上の廃止)
2020/21から4シーズン連続の営業中止です。
事実上の廃止と考えられます。
HPは真っ白なまま放置されたままです。
HPのドメインは地元のWeb制作会社のものなので、意図的にHPを削除せずに、白いページを作成してるのでしょうか。
なかさと清津スキー場(事実上の廃止)
2022/2023シーズンから2年連続の営業中止です。
昨年、次のようなアナウンスがあったので、事実上の廃止と考えられます。
「来シーズン(2022-2023)は3年間のコロナ禍による来場者数の減少や設備の状況により、誠に勝手ながら営業を休止いたします。来シーズン以降の営業につきましては今後の状況等を見ながら判断いたします。」とのことです。
妙高スキーパーク(事実上の廃止)
2020/21から4シーズン連続で営業中止です。
夏のゴルフ場は営業を行っていますが、スキー場は事実上の廃止と考えられます。
シャルマン火打スキー場
糸魚川シーサイドバレースキー場
報道によると、「新潟県糸魚川市が所有する糸魚川シーサイドバレースキー場と、シャルマン火打スキー場の運営状況などに関する民間会社の調査結果がまとまった。両スキー場は赤字経営で、市は毎年指定管理料などで計2億円を支出。調査結果では「競争力が低く、市からの補助に依存した体制」と指摘された。市は今後、市議会などとも協議を重ね、2025年度までに二つのスキー場の在り方について方向性を示す方針だ。」とのことです。
新潟糸魚川市にスキー場は必要か?赤字の市有2施設に「競争力低い」の痛烈指摘 存続?閉鎖?または…2025年度までに検討 はこちら
石川県
三井スキー場(事実上の廃止)
輪島市にあるロープトゥのみのスキー場です。
小雪、新型コロナウイルスの影響、運営するボランティアの高齢化、老朽化によるワイヤ(ロープトゥ)の切断などにより4シーズン営業を行っていません。
福井県
今庄365スキー場(営業再開)
2023/2024シーズンは、第1ペアリフトのみで営業を再開すると報道がありました。
2020/21、2021/22シーズンは営業中止。
当初、2022/23シーズンは人工降雪機は稼働させず、第1ペアリフトのみを運行する予定でしたが、2022年8月5日の豪雨でスキー場までの道路が壊れ、電柱が倒れて送電ができなくなりました。
一度は復旧見込みと発表がありましたが、11月11日、「8月に発生した豪雨により、スキー場関連施設が甚大な被害を受け、町としては営業再開に向けた復旧作業を進めてまいりましたが、道路通行上の安全確保や充分なサービスの提供が出来る状態まで復旧することが困難となったため「営業を中止」する」と発表がありました。
莇生田スキー場(事実上の廃止)
2022/2023シーズン、圧雪車の故障等により営業中止でした。
九頭竜スキー場
令和4年3月改訂(第3版)、大野市公共施設等総合管理計画~大野市公共施設再編計画編~にて、施設の方向性として「令和6年度の指定管理終了までに民間事業者への譲渡を検討する。」となっています。
譲渡希望者が現れない場合はただちに廃止とはなっていませんが、先行きが不透明です。
大野市 公共施設等総合管理計画 はこちら
長野県
Blue Resort エコ―バレー(事実上の廃止)
2020/2021から3シーズン連続で営業を行っていません。
そして、今シーズンの営業中止も発表されました。
エコーバレーのロゴ名は入った圧雪車や人工降雪機が他のスキー場で利用されている写真がSNS等でアップされていることなどを考慮すると、事実上の廃止と考えられます。
野麦峠スキー場
報道によると、松本市は野麦峠スキー場の今後の方向性を年度内に判断する方針とのことです。
同市は、スキー場管理費として年約1億6000万円を支出しています。
千畳敷スキー場(廃止)
ロープトゥが廃止されました。
バックカントリーエリアとして滑走は可能です。
岐阜県
ひだ舟山スノーリゾートアルコピア(2023年3月12日廃止)
2023年3月12日(日)の営業をもって廃止となり、13日(月)にHPも閉鎖されました。
隣接する市営スキー場の一方を廃止した形になります。
最終営業日前日の3月11日に、市からスキー場を買い取ることで合意したという人が現れ、Campfireで目標金額200万円のプロジェクトを始めました。
「私はどうにかならないかと何度も何度も市に掛け合いスキー場を買い取り経営を継続させてもらえる形に進めることが出来ました。」
しかし、3月15日、テレビの取材で、スキー場跡地の今後の利用予定を聞かれた観光課課長が次のように回答しました。
「今あるリフトを撤去して解体を進める、(民有地の部分は)土地所有者に土地を返還する。今後、地域振興策が出てくれば、地域の方々との確認や話し合いもあるかと」
岐阜・高山のスキー場「アルコピア」60年近い歴史に幕 「残念でしょうがない」 はこちら
Campfireでの説明と異なりますが、市は屋外ステージなど7棟の建物や、エスカレーターや人工降雪の設備、圧雪車やスノーモービルなどを10月1日付で無償譲渡しました。
雪遊び場として復活!? ひだ舟山スノーリゾートアルコピア はこちら
京都府
京都広河原スキー場(事実上の廃止)
2021/22シーズンからリフト運行を中止し、週末にゲレンデの一部をソリ遊び場として開放しています。
雪遊び広場となったと考えらえれます。
岡山県
大茅スキー場(事実上の廃止)
2023年2月、周辺のスキー場はオープンしても、大茅スキー場は営業を開始していません。
6月頃、運営者の株式会社あわくらグリーンリゾートの運営施設一覧から、大茅スキー場が削除されていました。
HP自体は残っており、アクセス可能です。
恩原高原スキー場(営業予定)
8月15日に上陸した台風7号の影響で土砂崩れが発生しました。
その後、復旧のめどが立ち、昨年同様パノラマゲレンデ第1~第3ペアリフトの運行を行うこととなりましたが、パノラマゲレンデ第1表斜面とレイクサイドゲレンデの全施設は営業中止です。
津黒高原スキー場(営業中止>廃止の可能性有)
報道によると、リフト運行に必要な技術管理者の確保ができず、今シーズンの営業中止を決定したそうです。
来期以降の営業も未定です。
広島県
スノーリゾート猫山(営業中止>廃止の可能性有)
電気代高騰と施設の老朽化により、営業中止が決定ししたようです。
書き方からすると、再開が危ぶまれます。
宮崎県
五ケ瀬ハイランドスキー場(営業中止)
2022年、台風14号の影響で、スキー場につながる唯一の道路で土砂崩れが発生し2022/2023シーズンの営業が中止となりました。
2023年7月31日、道路の復旧の目途が立たず、2023/2024シーズンの営業中止が発表されました。道路の復旧には法面の大規模補強工事が必要であり、五ケ瀬町が国や県に援助を働きかけています。
五ヶ瀬ハイランドスキー場2024シーズン営業の中止のご報告 はこちら
12月5日に行われた宮崎県議会一般質問で、五ケ瀬町は80mに渡る大規模な地滑り区間は本格復旧ではなく、仮設道路を作りシャトルバスのみの通行を許可し、スキー場の営業再開を目指す方針が説明されました。
2シーズン営業中止の五ヶ瀬ハイランドスキー場 仮設道路の整備で来シーズン再開へ 宮崎県 はこちら
環境要因
ここで少しだけ、利用者数に影響を与える環境要因を考えてみたいと思います。
交通網の整備
高速道路などの交通網の整備が進み、スキー場までの道が整備されてきました。
その結果、ICから近いスキー場の利用者が増え、山間のスキー場の利用者が減る傾向が顕著です。
自宅からスキー場に歩いて行ける人は限られており、スキー場がある自治体に住んでいる方でも車で移動することがほとんどです。
その場合、複数のスキー場がある地域では30分ぐらい時間が余計にかかっても大規模なスキー場に人が集まりやすくなっています。
若年人口の減少
スキー・スノーボードなど、ある程度の筋力を必要とするスポーツは、若年層の方が実施する割合が高くなります。
すなわち、若年層の減少はそのまま、スポーツ人口の減少を意味します。
また、スキー場がある地域は豪雪地帯であり、人口が減少、そして高齢化がすすんでいる自治体が多く、授業として利用する小・中学生が減少しています。
スキー場の標高
スノースポーツは降雪量などの天候に大きく左右されます。
標高の低いスキー場は、安定した降雪を得ることが出来ず、結果として営業日数に影響がでてきます。
また、気温が高いため人工降雪機を利用することもままなりません。
その結果、標高が高く雪質が安定しているスキー場に人が集まりやすくなっています。
最後に
バブル期の栄光が大きかっただけに、その後の環境変化についていけなかったスキー場が多く残っています。
特に、スキー場の半数以上を占める地方自治体が所有するスキー場は、税金という名の赤字補填を行い市場原理が働きにくい状況で、人口数千人の町や村が、数億円単位の税金を投入し維持しているスキー場もあります。
その結果、近隣の民営スキー場が閉鎖に追い込まれそうなところもでてきました。
コロナの影響で落ち込んでいるとはいえ、その前の10年のスキー・スノーボード人口はほぼ横ばいで、決して斜陽産業ではありません。
ここに海外からの観光観光客を取り込めれば、発展の可能性が十分にあります。
しばらくは生みの苦しみが続くと思いますが、産業構造の改革を行い、スキー場が魅力あるコンテンツになることを願ってやみません。
2023/2024 スキー場の運営会社変更、名称変更、リフト新設など はこちら
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