天気予報 10年に1度更新される「平年並」の寒さと、降雪量の関係

スキー場情報

天気予報でよく聞く「平年並」という言葉には、明確な定義があります。
降雪量で平年並の定義を説明した後、平年並の気温と降雪量の関係をみていきたいと思います。

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長期予報

平年並という言葉は主に気象庁発表の長期予報で使われます。
特に9月に発表される寒候期予報で、その年の冬の寒さが平年と比べてどうなるかがスノーヤーの関心を集めます。

長期予報には4種類あり、それぞれ次の日時で発表されます。

  • 1か月予報:毎週木曜日
  • 3か月予報:毎月25日頃
  • 寒候期予報:9月の3か月予報と同時
  • 暖候期予報:2月の3か月予報と同時

 

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平年並

平年並と聞くと最近の気温の平均と思われがちですが、実はもっと長期間の観測データから導き出されます。
気象用語として用いられる「平年並」とは、対象の30年間の内、気温や降雪量の高い方から11番目から20番目の間に入る年の値となります。
また、その対象の30年間は10年毎に変更となり、2021年がその変更の年でした。

対象期間

2021年1月に対象の30年間が変更になりました。
10年毎に対象期間が変更となるので、39年前の観測データが利用されることもあります。
予報日時とその時点の対象の30年間です。

2010年12月~2020年12月の予報

対象期間:1981年~2010年までの30年間の内の10年

2021年1月~2030年12月の予報

対象期間:1991年~2020年までの30年間の内の10年

対象期間による平均降雪量の違い

鳥取県大山

平年並の降雪量がどのように変わるか、変化量の大きかった鳥取県の大山で比較してみたいと思います。
グラフは、「1981年から2010年までの30年間」と「1991年から2020年までの30年間」の各年の年間降雪量を降雪量順に並び替えたものです。
平年並は11番目から20番目の間に入る年のデータなので、グラフの中の赤い線で囲った部分です。
明らかに「1981年から2010年までの30年間」の方が降雪量が多かったことが分かります。


国土交通省気象庁のデータをもとにグラフを作成
観測地点:北緯35度23.6分 東経133度32.2分 標高875m
注)大山では、1982年より観測が始まったため、1981年のデータがありません。

鳥取県大山の平年より多い、平年並、平年より少ない、各々の10年の平均は次のようになります。
#気象庁からは平均値の発表はなく、独自の計算です
2021年以降、「平年並の10年間の平均」の年間積雪量が82cmも少なくなったことが分かります。

年間積雪量 2020年以前 2021年以降
平年より多い10年の平均 1026 cm 960 cm
平年並の10年平均 946 cm 864 cm
平年より少ない10年の平年 865 cm 791 cm

平年並の気温と降雪量の関係

岐阜県高山市

平年並の気温と降雪量の関係はどのようになるか、本州の中央に位置する岐阜県高山市で調べてみました。
グラフは、1991年から2020年までの30年間の1月の平均気温を左軸、そのシーズンの年間降雪量を右軸に表し、平均気温の高い順に並べてあります。
暖冬の年(左から10番目の年まで)に、降雪量が少ないのは明らかですね。
いずれも平均気温が氷点下の平年並(11~20番の年)と平年より寒い年(21番目以降の年)の降雪量の差はそこまで多くないようです。


出典:国土交通省気象庁

観測地点は市街地にあるので、スキー場はより気温が低く、降雪量も多いと考えられます。
また、グラフから見ても明らかなように、2020年1月の気温の高さは突出していました。
いずれにしても、平年並の寒さであれば、十分な降雪は期待できるということですね。

  気温 降雪量
平年より暖かい10年の平均  0.0℃ 230 mm
平年並の10年の平均 -1.4℃ 357 mm
平年より寒い10年の平均 -2.2℃ 370 mm

 

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