圧雪車=ピステン(ピステンブーリー:PistenBully)!? 違います。全メーカーをご紹介

スキー場の施設・設備

朝一番、シマシマのゲレンデを颯爽と滑ると、最高の気分になります。
スノーヤーが寝ている間に大活躍してくれる圧雪車のスーパー格好いい動画と、用途、メーカーをご紹介します。

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圧雪車

一般名称

多くの人がピステンと呼んでいますが、正式名称はPistenBully(ピステンブーリー)でドイツ企業の商品名称です。
英語の一般名称は、SnowCat(スノーキャット)で、Snow + Caterpillar(キャタピラー)からきた造語だそうです。

#キャタピラーも商品名称なんですが、、、

他には、スノーグルーマー(snow groomer)、ピステマシン(piste machine)、トレイルグルーマー(trail groomer)、ピステバッシャー(piste basher)という呼び方もあるようです。

日本語では圧雪車が一般名称となります。

 

まずは、圧巻の圧雪車のフォーメーションをご覧ください。

用途

ゲレンデ整備

一番重要な用途は、みなさんご存じの通りゲレンデ整備です。
ゲレンデ終了直後、あるいは深夜、早朝とその時の雪の状態に合わせて、最適な時間に圧雪を行います。
新雪が降り続く時は、数時間おきに2度、3度と圧雪を行うこともあります。
圧雪はゲレンデの評判を左右するほど重要な作業で、高い運転技術が求められます。

最低積雪量

シーズン初め、大量降雪があったにも関わらず、なかなかスキー場がオープンしなかったという経験はありませんか。
降雪後、圧雪を行うためには、積雪50~60cmが必要と言われています。
圧雪といっても単純に上から抑えるわけではなく、重量のある圧雪車が無限軌道(キャタピラー)で雪上を動き回りゲレンデを整備します。
雪の量が少ないと地面の土を巻き上げてしまい、ゲレンデに土や小石が混ざり大変なことになってしまいます。
ピスラボなどのスノーマットが敷いてあるゲレンデは圧雪車が通っても土を撒き上げる心配がないので、少ない積雪でゲレンデ整備を行うことができます。
100%天然雪でのオープン日本1、2位を争う北海道黒岳スキー場は大雪山国立公園内にあり、高山植物を傷つけないように、積雪100cmを超えるまで圧雪を行いません。

登坂能力

圧雪車は無限軌道で100%(斜度45度)以上の勾配を登ることができます。
しかし、雪の状態によってはずり落ちて大変危険です。
そこで登場するのがワイヤーロープです。
ゲレンデ上部にある支柱にフックをかけ、ウィンチでロープを巻きながらゲレンデ整備を行います。

ハーフパイプ整備

前方のアタッチメントは着脱可能で、ハーフパイプ整備用のブレードを装着することが可能です。
年を追うごとにハーフパイプのサイズが大きくなり、ちょっとした起伏が選手の大怪我につながる、たいへんシビアな作業です。
石打丸山スキー場のハーフパイプを作る時は、パイプの上に人が立ち微妙な調整の指示を圧雪車の運転手に出していました。

運搬

背面の部分に客室を備え付け、スノーヤーを運ぶこともあります。
菅平高原スキー場で行われているスノーキャットツアーでは、根子岳(2207m)山頂直下(2170m)までスノーヤーを運び、約3kmのオフピステ滑走を楽しむことができます。
志賀高原の横手山・渋峠スキー場では、ナイトツアーが行われており、スノーモンスター(樹氷)を楽しむことができます。

南極でも大活躍

圧雪車は、南極の昭和基地でも大活躍をしています。
youtubeチャンネル「南極おじさん」で南極越冬隊のピステン運転手の方が、南極の日常を配信されていましたが、残念ながら大人の事情によりチャンネルを閉じられたよです。
すぐに交換部品が届かない状況では故障しないことが最優先され、不具合の出尽くした一般販売が終了した機種を、新車で作ってもらい南極に持っていくそうです。
同じく南極越冬隊の方のチャンネルに勇姿がありましたので、ご覧ください。

 

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メーカーと車種

諸元にある、登坂性能100%とは、100m進んで100m登る、すなわち45度の斜面を登ることができるということです。
高速道路の勾配〇%と同じです。

PistenBully(ピステンブーリー)

メーカー :Kässbohrer Geländefahrzeug AG
本社   :ドイツ
販売代理店:スノーシステムズ株式会社

日本でも圧雪車のことをピステンと呼ばれるように、圧雪車の代名詞で、同社によると世界シェア60%あるそうです。
日本では、リフトでお馴染みの日本ケーブル(株)の子会社、スノーシステムズ(株)が輸入販売を行っています。
車両価格はうん千万円からで、2021年グランスノー奥伊吹が「ピステンブーリー 600Park V」と「ピステンブーリー 400Park」の新車2台で1億円と発表をしていました。

諸元 100 Series 400 Series 600 Series
エンジン Cummins
QAB6.7 4F
Cummins
QSL9 Tier4f
Cummins
X 12
総排気量 6.7 L
(6,700 ccm)
8.9 L
(8,900 ccm)
11.80 L
(11,800 ccm)
最高出力 186 kW(253 PS) 298 kW(405 PS) 339 kW(461 PS)
登坂能力   100 % 100%

HP 

車両総額「1億円」!! 最新モデルの「圧雪車」導入へ!!「世界のトップメーカー」 ドイツ ケースボーラー社の 「ピステンブーリー 600Park V」「ピステンブーリー 400Park」の新車2台を購入しました!! はこちら

Prinoth(プリノート)

メーカー :PRINOTH AG
本社   :イタリア
販売代理店:JFEプラントエンジ株式会社
      株式会社ノースウエスト

最近、耳にすることが増えてきた。
シルバーの車体をみかけたら、きっとプリノートです。

諸元 BEAST EVEREST BISON/
BISON-X
HUSKY /
HUSKY X /
HUSKY T5
エンジン Caterpillar
C13 Acert
Mercedes
OM 501 LA
Caterpillar
C9.3
MTU OM
934 LA
総排気量 12,500 cc 11,950 cc 9,300 cc 5,100 cc
最高出力 388 kW
(520 PS)
@1,800rpm
315 kW
(430 PS)
@1,800rpm
298 kW
(406 PS)
@1,700rpm
170 kW
(231 PS)
@1,800rpm
登坂能力 100% 100% 100% 100%

(注)カタログ値は、kWとPSの換算値が少しずれています。

HP 

Tucker

メーカー :Tucker Sno-Cat Corporation
本社   :アメリカ
販売代理店:

販売代理店を見つけることができませんでした。
国内で稼働している車両はあるのでしょうか。

HP 

FUZIN(風刃)、RIZIN(雷刃)

メーカー:株式会社大原鉄工所
本社  :新潟県長岡市

1907年(明治40年)、長岡の東から三条一帯の東山油田の石油掘削用ポンプの鋳造部品メーカーとして創業しました。
その後、車両の製造を始め自衛隊に雪上車を納入しています。
最初の圧雪車は1969年(昭和44年)に開発したそうです。
ゲレンデを守る「風刃」と「雷刃」、ネーミングセンスが抜群ですね。

諸元 FUZIN(風刃) RIZIN(雷刃)
エンジン Scania DC13 084A Scania DC09 085A
総排気量(L) 12.7 9.3
最高出力 331 kW(450 PS)
@1,500~2,100
257 kW(350 PS)
@1,500~2,100
登坂能力 84% 84%

HP 

TURBOTRAC 300

メーカー:株式会社NICHIJO
本社  :北海道札幌市

除雪車など雪国に必要な車両を製造する会企業です。
現在は川崎重工グループで、川崎車両株式会社の子会社です。

諸元 TURBOTRAC 300
エンジン キャタピラー3126B/直6ディーゼル
総排気量  
最高出力 224kw(305ps)
登坂能力 120%

HP 

おまけ

子供に大人気(?)の圧雪車、もちろんレゴ(Lego)にもありました。
コンパクトなのに、特徴をよくとらえています。
なぜか、雪玉投擲機が付いているところは、ご愛嬌と言うことで(笑)

 

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最後に

私は深夜、あるいは早朝の山(ゲレンデ)に無数の光(ピステン)が動き回る光景が大好きです。
大きなスキー場だと何十台もの光が動き回ります。
運転手の方は大変かと思いますが、朝一のゲレンデを楽しみにしていますので、よろしくお願いいたします。

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