スキー場でスノーヤーをゲレンデ上部に運ぶ手段としてはリフトが一般的ですが、日本、世界にはいろいろな種類の輸送手段があります。
日本ではお目にかかれない輸送手段もありますが、乗り物好きの方は、完全制覇を目指してください(^.^)
マジックカーペット(ムービングベルト)
初心者や子供向けのゲレンデに設置されている、ベルトコンベア方式の輸送手段です。
全国のゲレンデで導入が増えてきています。
2020/2021シーズンに、埼玉県の狭山スキー場の輸送手段は、シングルリフトからマジックカーペットに変更されました。
トロイカ
トロイカとはロシア語で「3」を意味し、3頭立ての馬車のことです。
スキー場のトロイカと呼ばれる乗り物は、ロープで引っ張ります。
乗客が下りた後、乗り物は方向転換を行わず、後ろ向きで乗り場まで戻されます。
山田温泉キッズスノーパークで、子供が小さい時にお世話になりました。
写真を見ると、トロイカが新しくなっていました。
山田温泉キッズスノーパークHPより
滑走式リフト(支柱無し)
始めてスキー場に設置された人をゲレンデ上部に運ぶ手段で、スキー・スノーボードを履いたままロープに引っ張り上げてもらいます。
ロープトゥ
ロープトゥは動力(エンジン)によりロープが回転していて、そのロープを直接つかみむことにより移動します。
ロープは雪面に近い位置にあり、人が持っていないと雪面に接します。
動力は固定されているものと持ち運びが可能なものがあります。
今日、日本でロープトゥと呼ばれているもののほとんどは、次に説明するハンドル・トゥです。
ハンドル・トゥ
ハンドル・トゥは、ロープに等間隔にハンドルが取り付けてありす。
そのハンドルをお尻に当てて移動します。
日本でロープ・トゥと呼ばれているもののほとんどは、ハンドル・トゥです。
ちなみにトゥ(Tow)とは引っ張るという意味です。
2022/2023シーズンから石打丸山スキー場に設置されたハンドル・トゥです。
ナッツクラッカー・トゥ
ナッツクラッカーとはくるみ割り(くるみを割る道具)と言う意味です。
ナッツクラッカー・トゥは、回転しているワイヤーにくるみ割りを行うように、ハンドルを挟みます。
日本でTバーリフトと呼ばれているものは、ほとんどがこのナッツクラッカー・トゥです。
本来のTバーリフトについては次に説明します。
ガーラ湯沢のナッツクラッカー・トゥです。
【滑走日誌22-14】ロープトゥが設置されました、ガーラ湯沢スキー場 はこちら
まとめ
定員 | 名称 | 設置スキー場 | |
1人 | ロープ・トゥ | 直接手でロープを持ちます | |
1人 | ハンドル・トゥ | ロープに固定されたハンドルをお尻にあてます | 多数 |
1人 | ナッツクラッカー・トゥ | ナッツクラッカー(くるみ割り)と呼ばれる装置で、ロープを挟み、つかまります。 | 月山スキー場 ガーラ湯沢 |
滑走式リフト(支柱有り)
シュレップ(プラッター)、Jバー、Tバーリフト
ロープトゥが進化し、支柱の上で循環するワイヤロープに、Tバーなどがぶら下がるようになりました。
日本のスキー場で現役のシュレップ・Tバーリフトは5か所ぐらいでしょうか。
海外の氷河スキー場など、大きな支柱を設置できないゲレンデでは、数キロにおよぶ滑走式リフトがあります。
かつて、安比高原にも1000mを超えるTバーリフトがありました。
定員 | 名称 | 説明 | 設置スキー場 |
1人 | シュレップ・リフト (プラッター) |
直径数十センチの丸い樹脂を脚の間に挟みます | 興部町営スキー場 知内町営スキー場 手ノ子スキー場 松山スキー場 |
1人 | Jバー・リフト | 「J」字型の鉄棒をお尻に当てます | 日本にあるのでしょうか? |
2人 | Tバー・リフト | 「T」字型の鉄棒をお尻に当てます | かもい岳国際スキー場 |
4人 | Tバー・リフト | 説明をするのが難しいので、下の動画をご覧ください | 日本未導入 |
Jバーリフトです。
日本でJバーと呼ばれているものはプラッター・リフトの場合がほとんです。
4人乗りTバーリフト(?)、2分10秒あたりで、どのような乗り物か分かります。
特殊索道(リフト)
みなさんお馴染みのリフトには、ロープに搬器が固定されていタイプと、乗降時にロープから搬器が外れるデタッチャブル式のものがあります。
懐かしい1人乗りから、海外には最新式の8人乗りまであります。
定員 | 固定式リフト | デタッチャブルリフト | 設置スキー場 |
1人 | 〇 | 数少なくなりました | |
2人 | 〇 | 多数 | |
2人 | 〇 | 少数 | |
3人 | 〇 | 多数 | |
3人 | 〇 | 舞子スノーリゾート 他 | |
4人 | 〇 | 少数 | |
4人 | 〇 | 多数 | |
6人 | 〇 | ニセコHANAZONO 石打丸山 |
|
8人 | 〇 | 日本未導入 |
普通索道
ゴンドラ(テレキャビン)
密閉式の搬器(搬器)が循環していて、乗降時にはワイヤロープから外れ減速します。
石打丸山スキー場では、6人乗りリフトと10人乗りゴンドラを同じワイヤロープで輸送するコンビリフトがあります。
定員 | 設置スキー場 |
4人 | 志賀高原 他 |
6人 | 多数 |
8人 | 多数 |
10人 | 石打丸山 他 |
12人 | ヘブンスそのはら |
石打丸山スキー場 Sunrise Express(コンビリフト)乗り場
手前がゴンドラ乗り場、ぐるっと回って奥(見えているゴンドラの反対側)にリフト乗り場ばあります。
フニテル
「フニテル(Funitel)とは索道の一種で、二本の支曳索(ロープ)を片側二条になるよう敷設した複式単線(DLM:Double Loop Mono-cable)方式のうち、支曳索の間隔がゴンドラの幅よりも広いものの愛称である。」
ウキペディアより引用
2本のロープでゴンドラを支えているので、風に強いのが特徴です。
スキー場では、蔵王温泉、谷川岳ロープウェイに導入されています。
パルスゴンドラ
通常のゴンドラと同じように見えますが、ワイヤロープに搬器が固定され循環していて、乗降時に減速します。
ニセコビレッジと志賀高原で稼働しています。
志賀高原リゾートゴンドラで、ゴンドラ3基が連なって運行しています。
ロープウェイ
ワイヤロープに大きなゴンドラが2基吊るされ、循環せずケーブルカーのように上下します。(交走式)
日本最大のロープウェーは166人乗りで、湯沢高原スキー場と北志賀竜王スキーパークにあります。
モノレール
世界でも稀な、スキー場にあるモノレールです。
1本のガイドレールに吊るされ、連結されたゴンドラが2セットが上下し、ケーブルカーのように中間で交差します。
また、このモノレールは、ほぼ全線トンネルの中を移動します。
列車・ケーブルカー(フニクラー)
ヨーロッパアルプスなのでは、登山列車で登り、滑り降りてくるスキー場があります。
ケーブルカーで登るスキー場もありますが、雪の多い日本での導入は難しそうです。
そんな中、小海リエックス・スキーバレーには、メインレストランのエーデルワイスとリエックスホテルを結ぶケーブルカー(170m)が運行しています。
番外編
スキー場の乗り物と言うことであれば、圧雪車(ピステンなど)、キャタピラ付きの車、スノーモービルがあります。
この中で、雪上車はリフトが動く前のファーストトラック、リフトが架かっていない場所への移動のためのサービスとして営業されている場所があります。
ヤマボクワイルドスノーパーク のスペシャルキャットプログラムなど。
まとめ
搬器 | 搬器の固定 | ロープ | |
マジックカーペット | – | – | – |
トロイカ | 開放 | 固定 | 交走式 |
ロープトゥなど | – | – | 循環式 |
Tバーリフトなど | – | 固定 | 循環式 |
リフト | 開放 | 固定/デタッチャブル | 循環式 |
ゴンドラ | 密閉 | デタッチャブル | 循環式 |
フニテル | 密閉 | デタッチャブル | 循環式 |
パルスゴンドラ | 密閉 | 固定 | 循環式 |
ロープウェイ | 密閉 | 固定 | 交走式 |
列車・ケーブルカー | – | – | – |
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